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ぼくを探しに/シルヴァン・ショメ監督
評価:
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トランスフォーマー
¥ 3,012
(2015-03-06)

text by uematsu

ギンレイホール
主人公のピアニスト・ポールは話をしない。聞こえないわけではなく、ただ話をしない。話せないわけではなさそうなのだが、表情に乏しく、毎日、二人の叔母と共に食事をし、ダンス教室の伴奏をし、ピアノコンテストの優勝を目指してレッスンを続けている。

ポールには両親がない。子どもの頃、両親が事故で亡くなったのだということが次第に明かされる。そして、ポールの記憶の断片には父親が母親に暴力を振るっていたり、自分に対して愛情を持っていないのではないか、ということ場面が刻まれている。

そんな子どものころの記憶が、ポールから言葉を奪っているのだ、ということが次第にわかってくる。

ポールたちが住んでいるアパルトマンの一室にマダム・プルーストと呼ばれるオバサンが居を構えている。プルーストというくらいだから、来客に紅茶を振る舞い、マドレーヌを食べさせる。ただ、その紅茶はマダムの独自のレシピで作られた不思議な紅茶。飲むと、意識を失い、夢の中で自分の過去を旅することができる。

このマダムの処方で、ポールは次第に自分の過去が、自分の記憶とは違うものであったということを知る。

登場する人物のキャラクターがとても明確で、しかも、色使いがはっきりとしているので、まるでアニメーション映画ようだ、と思いながら見ていたのだが、 パンフレットを見て監督が『イリュージョニスト』のシルヴァン・ショメ監督だと知る。

どうりで、と腑に落ちたのだが、不条理と叙情性が共存するあの感覚は確かに、『イリュージョニスト』に通じるものがある。そして、実写だからこそ、そこに存在する役者たちの揺らぎのようなものが『イリュージョニスト』をしっかりと肉付けしている、というような感覚をもたらせてくれているような気がする。

少し寓話的な内容が普遍的すぎる気もするのだけれど、登場人物たちの魅力でそこを乗り切っているような、そんな楽しい映画。
| 映画 | 13:33 | comments(0) | - | pookmark |
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