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水槽の水替え
久しぶりに金魚のぐらの水槽の水を入れ替える。久しぶりにというのは、本当に久しぶりで、おそらく半年近くちゃんと水替えをしていなかったのではないかと。以前はこまめに水替えをしてくれていたデザイナーのやぶうちくんも、最近ではすっかりぐらへの愛情も冷めてしまい、毎朝機械的にエサを投入するだけ。そんでもって、こっちはそれを見て見ぬふり。という状態でした。
しかし、さすがに苔むした水槽の中で、でっかくなった図体のぐらがぽつねんとしている姿を見るのは忍びない。ということで、2週間ほど前から、「そろそろ水替えをしなければ」と密かに
狙っていたのですが、ついに今日早朝に決行。あまりに水が汚すぎて、入れ替えてもまだ濁っていますが、もうすぐ落ち着くでしょう。
ということで、気分一新の週明け。台風も行っちゃったことだし、晴れやかな気持ちで頑張りまっす。 
| 金魚日記 | 09:28 | comments(2) | - | pookmark |
ぐらvsキングギドラ46
ぐらの声は、あたりに響き渡った。

その声で、キングギドラの3つの頭も揺れた。

もう、終わりにしよう。

キングギドラの3つの頭も、
それぞれにそう言葉を発した。
もう、終わりにしよう。

タカハシも同調するように言う。
ぐらの力が抜け、
浮かんでいた身体がゆっくりと落ち始めた。
キングギドラが、その身体を支える。
オオハラの身体も落下しはじめ、
それをタカハシが支え、床におろした。
うっすらと目を開けるオオハラ。

タカハシがつぶやいた。

「もう、終わらせていいんだな」

オオハラは、ゆっくりと目を開いて、笑う。

「だって、誰も続けてはくれないでしょ?」

タカハシが笑う。

「しかし、どうしたことだ。
ここにいる全員が、
もう、終わりにしようと言っているのに、
なぜ、終わらないんだ」

その時、オオハラが空を見る。
小さな黒い物体が、見る見る大きくなり、
やがて、轟音とともに着地した。
ガメラだった。
タカハシが言う。
「ガメラよ。お前も、終わっていいんだな」
ガメラが答える。
「もう、終わりにしよう」

あたりが静まりかえる。
なにも終わらない。
なにも始まらない。
なにも、動きがないまま、時間が過ぎる。

次第に、タカハシがイライラし始める。
「なんだよ、なんも終わらないじゃないか。
だれが、終わらせるんだ」

タカハシが叫ぶと、
不意に、カタカタという音が聞こえた。

タカハシは想像を巡らせた。
巨大生物を描くために、
なにがカタカタと音を立てていたのか。

「そうか。やっと終わらせる気になったのか」

タカハシは思い至った。
「この音は……。キーボード……」

巨大なキーボードの音が響き渡っていたのだ。
終わろうとしていた。

物語が物語を呼び、引き継がれていくなかで、
自由に広がっていくはずだった物語は、
誰も引き取り手もないままに、
書き始めた作者によって、
終わりを迎えようとしていたのだった。

このままだと、
「オオハラの依存心」
ということですべてを説明する、
というあまりにも暴力的な結末になってしまうことも、
すでに了解済みだ。

冒頭にでてきたタカギという男はいったいなんだったのか、
という疑問も了解済みだ。

了解はしているが、解決するつもりは、もうない。
だって、みんな、そうやって、
中途半端に生きてきたのではないのか。

巨大なキーボードの打刻音は、
そんなあれやこれやを振り切るように響いていた。

mou,owarinisiyou
と打たれた文字は、
もう、終わりにしよう。
と変換された。

もう、終わりにしよう。

と、さらにキーボードが打ち込まれる。

どこまで打てば本当に終わるのか、
わからなくなったいま、
この物語は、本当に終わった。

ああ、オオハラを最後まで
好きになれなかったことが、敗因だ。

| 金魚日記 | 09:22 | comments(0) | - | pookmark |
ぐらvsキングギドラ45
事件とは、オオハラが亡くなった事件だ。
ぐらを捨てようとしたオオハラの父が、
巨大化したぐらに殺されてしまった事件のことだ。

 

ぐらの口が開き、オオハラの言葉が響いた。

あの時、私ははっきりと自覚したの。
私の気持ちがぐらを動かしているんだって。
だって……。

タカハシは「全部はなさなくてもいい」と
絞り出すような声で言う。
それでも、哀しみを称えた表情で、ぐらは、
オオハラの言葉をはき出し続ける。

だって、あの日、私は父を憎んでいたんだもの。
ぐらを捨てようとした父を心の底から憎んでいたのよ。

中空に浮かんでいたオオハラの身体が、ゆらりと揺れた。
タカハシがその瞬間、周囲を見回す。
さっきまで横たわっていたキングギドラの3つの頭が、
動き始め、タカハシとオオハラに近づいてきていた。
そんなキングギドラに言い聞かせるように、
ぐらが言う。

もう、終わりにしよう。

つづく。

| 金魚日記 | 10:16 | comments(0) | - | pookmark |
ぐらvsキングギドラ44
 ぐらは話し続ける。
オオハラの言葉を話し続ける。

ぐらが巨大化するにつれて、
私はどんどん萎縮していったの。
ぐらを恐れ、忌み嫌うようになった。
それでも、ぐらから目をそらすことも出来ず、
逃げ出すことも出来なかった。
心の底から怖かったのよ。
私が生まれて初めて何かをなしえた、
その対象がぐらだった。
そこにしがみついていたかったの。
手を離すと、どこまでも落ちていく。
そんな気がして、小さく震え続けていた気がする。
同級生の男の子とつきあい始めたのだって、
ぐらとの絡み合った視線を解きたかったのよ。
でも、今度はぐらがそれを許さなかった。
私が日々発していた言葉を、
真っ正面から受け取って、
ぐらは私を縛り付けようとしたの。
そんな時、あの事件は起こったのよ。

つづく
| 金魚日記 | 08:46 | comments(0) | - | pookmark |
ぐらvsキングギドラ43
ぐらの揺れる巨大な尾びれと同調するように
オオハラの身体がゆったりと揺れる。

再び、ぐらの口が開き、オオハラの言葉が発せられる。


私は怖かった。
私をじっと見ていた、あの日のコオロギの目が、
記憶から消え去ることはなかった。
どんな時にも、あの目を思い出し、
そして、すべての動物の目が、あの目と重なった。
ぐらも同じだった。
私を見つめ、私を監視していた。
もちろん、それは私の思い込みだったと思う。
でも、思っていただけなら、
たぶん、なにも起きなかったのだとおもう 。
だけど、私はそれを言葉にしてしまったの。
なんども、なんども。
ぐらが泳いでいる水そうの前で、
私は「怖い」と何度も声にしたの。
ぐらに向かって「気持ちが悪い。こっちを見ないで」
と何度も何度も声にした。
それが、ぐらに通じてしまったのね。
ぐらは私は恐怖と憎悪を少しずつ溜め込んで、
大きくなっていった。
巨大化し始めると、私はより恐怖を感じて、
その巨大化を推し進めてしまった。
もっと悪いことに、私はだんだんとぐらの巨大化を
楽しみにし始めてしまったのよ。
考えてもみて、周囲を羨んでばかりいた私が、
生まれて始めて、本当になにかを育てることができたのよ。
なにかを加担することができたの。
それが、憎悪の集約だとしてもね。

タハカシは、ぐらの声を聞きながら、
中空で浮かぶオオハラを見つめた。

つづく
| 金魚日記 | 00:40 | comments(0) | - | pookmark |
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