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古事記/池澤夏樹
text by uematsu

小説家・池澤夏樹が世界文学全集についで、再び個人編集の日本文学全集の刊行をスタートさせた。第1回配本は『古事記』。彼の父である福永武彦もかつて古事記の現代語訳を手がけたことがあるということで、池澤夏樹にとっては、とても思い入れのある仕事だったのだろうな、想像することができる。

池澤夏樹版の『古事記』はとてもおもしろい。物語として読める、ということに重点を置いて訳されている気がする。日本の神話を読み解くことで、日本人のメンタリティの大元のようなモノを感じることができる。中学生の頃、国語の先生にそう言われたことを思い出した。

それにしても、日本の神々のなんと大らかなことだろう。そして、どこかユーモラスで明るいやり取りがとても面白い。 
| 読書 | 14:52 | comments(0) | - | pookmark |
ダイエットは運動1割、食事9割/森拓郎
 text by uematsu

数年前に病気をして、一時期、一気に食事をとることが難しくなった。本来は一日数回、小分けして食べるのがいいのだけれど、仕事をしていると、朝昼晩の食事時間以外に何かを食べる時間はとりにくい。そこで、ついつい、仕事をしながらお菓子などをつまむようになってしまった。

砂糖などの甘い物には、麻薬と同じくらいの常習性がある、という話を聞いたことがあるのだが、まさにそんな状態で目の前に何かあると、ついつい口に放り込む、という習慣が付いてしまったのである。

これではいかん、体重も増えてきたし、なによりも、せっかく健康になったのだからその状態を維持しなければ、という気持ちがムクムクと頭をもたげ始めたところに、この本が書店で目に飛び込んできた。

結論から言うと、この本を読んで、そのまま実行すればOKという内容ではない。というか、ようは食事に気を遣う、ということなのだけれど、レシピなどは最低限しか書かれてはない。でも、身体にいいはずの食事はきっとこれだ、というヒントに満ちているので、読んだ後にはダイエット=減量ではなく、身体を健康にすることなんだ、という確信を得ることができる。

そして、食事にも気を遣わず、ただ、食事の量を減らす、運動してカロリーを消費する、という減量がいかに無謀で馬鹿らしいことなのか、ということをしっかりと理解することができる。それだけでも、自分の気持ちをリセットすることにつながり、有益だった。そして、気持ちのリセットがそのまま自分の生活のリセットにつながるのではないかと思っている。
| 読書 | 16:35 | comments(0) | - | pookmark |
静かな生活/岡井隆
text by uematsu

1928年生まれの歌人、岡井隆が2010年の1年間、毎日短歌で日記を付ける、という試みを行った。その記録を一冊にまとめた書籍。毎日1ページに、メモ書きが一つに短歌が一つ、というシンプルな構成で淡々と綴られていく。
メモ書きは「今日、こんなことを考えた」という内容であったり、「賛美歌」の一節であったりする。小さなメモ書きがあって、一行の短観が次々と目に飛び込んでくる。
この本を1週間ほど前に買い求め、パラパラと目を通して見たのだが、どのページも面白すぎて、普通の通して読むのが持ったない。思いなおして、事務所の机の上に置いて、1日に1ページずつ、つまり、 岡井隆の2010年を5年後の2015年に1日ずつ追体験することに決めた。

これを書いているのは1月23日だが、5年前の同じ日の短歌は次の通り。

「日はつねに速く/人はつねに遅れる。」(杢太郎)というト書きのようなメモがあり、
大きく一行で書かれた短歌が続く。

昨夜は会ふひとごとにわが罪をとがめてくれた花束をもて

他にも、パラパラとめくったときに付箋を貼ったページには、次のようなものがある。

うつむいて歩いてはだめつて妻が言ふんだが花を踏みさうなんだ

名刺渡し合へるかたはら名刺なきわれは微笑む外ないのです

うつくしい岸辺へ流れつきたいと幾日も櫓をこいだおろかさ

この本を手元に置いてから、なんだか読むということの面白さを日々教えられている気がする。
| 読書 | 15:04 | comments(0) | - | pookmark |
バカが多いのには理由がある/橘玲
text by uematsu

週刊プレイボーイの連載コラムを一冊にまとめたもの。刺激的なタイトルだけれども、要するにTwitterを始めとするSNSの台頭で、人々が直感的なやり取りに終始することで、深い議論がなされていないということを指摘している一冊といっていいと思う。
直感的なやりとりとは、いわば本能的な直感で物事を判断してしまい、深く思考するということを忘れてしまう状態のことを言う。これはSNSだけではなく、お笑いの世界でも同じで、落語のようにじっくりと語り、舞台を作った上で喜劇を展開することがなくなり、瞬間的に「お前は、まるで百獣の王ライオンが借金取りに追われているような顔をしている」というような何かを言い得たようなたとえ話の応酬をするようになってしまった。
まさに、直感と直感との丁々発止ばかりで、それはそれで面白いのだけれど、それだけですべてが語れるわけがないのである。
ところが、ここしばらく、直感こそが真実という思考回路が幅をきかせている気がしてならない。そして、それこそが著者が語るように「バカが多いのには理由がある」ということになってしまうのである。

確かに、人を笑わせる時に、「〜に似ている」「〜と〜を〜したような」などと例えて笑うというのは面白い。しかし、それしかできない人間は、実は深く考えている自分を夢想してしまっているのではないかと最近僕は思っている。
自分は深く考えることができる。しかし、直感的なものいいもできる。というわけだが、実際には直感でしか考えず、直感でしか動けない人間がほとんどだ。一度立ち止まればいいものを、立ち止まり方も学ばず、直感を深い思考へと導いていく手法もテンポもしらず、何かを言いえている気になってしまう。実はそれがいちばん危険な状態なのではないかと思ったりするのだ。 
| 読書 | 13:25 | comments(0) | - | pookmark |
いのちの姿/宮本輝
評価:
宮本 輝
集英社
¥ 1,296
(2014-12-05)

text by uematsu

宮本輝が京都の料亭が年に2回刊行している冊子に書いたエッセイ集。近年エッセイをほとんど書いていない著者のエッセイ集が出版されると聞いて、「どこに連載していたのだろう」と思っていたのだけれど、料亭の冊子に書いていたのでは知るよしもない。生まれてこの方、料亭なぞ冠婚葬祭がらみ以外で、敷居をまたいだこともないのだから。
宮本輝という作家は、短い文章を書かせると、本当にうまい。短編と長編とでは書き方が違う。いくら短編が巧くても、長編が書けるとは限らない。なぜなら、長編を書くには、文章を書く技術だけではなく、書いた文章を収めていくストレージが必要だからだ。と書いていたのは村上春樹だった。村上春樹は、そのストレージを持つことができなければ、いくら短編の名手でも長編をものにすることはできないのだと書いていた。
宮本輝は長編を書かせれば、単行本上下巻の作品を毎年のように完成させることができる。同時に、流転の海シリーズのように、すでに単行本十巻に迫る大河ドラマを書き綴ることもできる。『いのちの姿』はそんな宮本輝の「書き方」の根源のような部分に触れたような気持ちになることができるエッセイ集だ。
種違いの兄の後ろ姿にふと名前を呼びかけてしまう『兄』。若い頃、ほんの数ヵ月働いた小さな商店の奥さんからの電話が書こうとしていた小説へと結実する『人々のつながり』など。どれも、宮本輝の人の営みを見つめる滋味のようなものが感じられて面白い。
| 読書 | 08:43 | comments(0) | - | pookmark |
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