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かくかくしかじか4/東村アキコ
text by yabuuchi

『かくかくしかじか』の4巻が7月に出ていた。出ていたんだけど、なんか読むのが勿体ないような、怖いような気がして何となく買わずにしばらく放置していました。…まあ、結局気になって買っちゃったんですけど。

『かくかくしかじか』は漫画家、東村アキコさんの自伝漫画。高校3年生の時、美大受験のため地元宮崎の画塾に通い始め、そこで日高先生という超オソロシイ絵の先生に出会いデッサンをばしばし鍛えられ美大受験に向かうのが、1巻。2巻で大学受験を経て金沢美工大に入学、3巻で大学を卒業して地元宮崎で就職しつつ日高先生の画塾で助手を勤め、そして4巻でついに漫画家となる…というのがざっくりした今までのお話な訳ですが(現在も連載中)。

なんていうかこの、日高先生が無茶苦茶いいのです。
絵の先生なのに超威圧的で生徒に竹刀ふるうし、口悪いし、生徒投げ飛ばすし、女の子泣かすんですが、でも実は、生徒のどーしょうもない嘘も信じてしまうようなお人好しで、絵を描くことだけしか頭になくて、そして生徒を美大に行かせるために生活全部なげうってしまうようなおじさんなのです。
で、この日高先生のことを、漫画を描いている現在の東村さんが一巻から一貫して(ギャグではない)過去形で語る訳です。それってもう…、もう今は先生はいないってことよね??と…。いつ先生はいなくなってしまうのかと、読む側としては気が気じゃない訳です。はい。

もう4巻だし…なんかそろそろ…そろそろ先生が…と思ってたら……!! …ううっ(涙)。

でもなんていうか、これを読んでいると、東村さんがちょっと羨ましい。こんなにいい先生に出会えるってすごい幸せなことだよなあと思います。
本当にこのごろ思うのは、師匠を持てるか持てないかで人生って大きく変わるんだなあということ。まあ、別に実際に出会わなくても、故人であっても本であってもなんだっていいと思うのですが。うーん、でも逆に言えば師匠を見いだすのは弟子でもあるわけで…、謙虚に生きねばなりませんね。

あー、続きが気になる気になる。はやく5巻でないかなあ…。
| コミック | 23:45 | comments(0) | - | pookmark |
カオスノート/吾妻ひでお
評価:
吾妻ひでお
イースト・プレス
¥ 1,296
(2014-09-07)

test by uematsu

僕の小学生の頃の愛読書だった週刊チャンピオンに連載されていた『ふたりと5人』はお色気路線のコメディマンガだった。もう、美少女がミニスカートで闊歩するこのマンガにはドキドキさせられた。いま、ネットで調べるとSFマンガ、不条理マンガの開拓者的な書かれ方をしているが、僕の中で吾妻ひでおはずっとエロマンガ家だった。

そんな吾妻ひでおのマンガを見なくなったなあと思っていた時に、突如出版されたのが『失踪日記』だった。アル中、自殺未遂、そして、その末の失踪。知らない間に、吾妻ひでおはえらいことになっていたのである。

そのえらいことになっていた吾妻ひでおが、『失踪日記』で見事にマンガ大陸に復帰。そんな吾妻ひでおの新作が『カオスノート』である。これはすごい。ナンセンスもナンセンス。ナンセンス以外のなにものでもない。ストーリーなんてない。ただただ、悪夢のような妄想のような事柄が次々に起こるだけなのである。しかも、その事柄はひとつひとつがほとんど関連がない。ただただ、吾妻ひでおが妄想したことがマンガにされている、という感じ。

ただ、読み進めていくと、どこか大きなうねりのような流れが感じられるようになってくる。意味など考えずに、その流れに身をゆだねるととても心地いい。
| コミック | 00:33 | comments(0) | - | pookmark |
ブルー・ジャイアント/石塚真一
text by uematsu

これはもう傑作の予感ですよ。
『岳 〜みんなの山〜』の作者・石塚真一、渾身の新作、『ブルー・ジャイアント』であります。いまコミックで第2巻まで出たところなんですが、これが面白い。だいたい、音楽物のマンガって、面白いんです。さそうあきらの『神童』も面白かったし、一色まことの『ピアノの森』も面白い。秘密はきっとマンガには音がないってことですね。
それが証拠に、実写映画化された『神童』は凡作だったし、アニメ化された『ピアノの森』だってほとんど話題にならなかった。それは仕方がない。マンガの中では、「す、す、すごい。天才だ」と言っておけば、音は勝手に読者が想像してくれるんだから。ところが、映画になると実際に音を出さないといけない。
『神童』のなかの、そのピアノが響けば、犬も猫も大人しくなってしまうような優しい音が映画から流せるわけがない。

というわけで、ジャズマンガです。『ブルー・ジャイアント』です。高校生の宮本大(だい)が、兄からもらったテナーサックスを河原でひたすら吹きまくり、師匠に出会ってレッスンしてもらい、やがて東京へ。いまんところ、その辺くらいまでです。ここまでで、すでにめちゃくちゃ面白い。これはもう、だまされたと思って読んでください。
ジャズが好きならはまります。『岳』が好きならさらにはまります。 
| コミック | 01:32 | comments(0) | - | pookmark |
アオイホノオ/島本和彦
text by yabuuchi

『アオイホノオ』がドラマになった。と聞いてビックリしました。

『アオイホノオ』は現在連載中の美大漫画。
作者の島本和彦のほぼ自伝で、
大阪の美術大学に入って漫画家を目指す焔モユルが主人公。時は1980年代。
『アオイホノオ』は美大漫画なんだけど、
『ハチミツとクローバー』みたいなオシャレさもなければ、
『かくかくしかじか。』みたいな切ない悔悟もない。
いや…、ある意味、切ないんですが、
それは、曲がりなりにも絵や文章を他人に見せた事がある人は、
胸をかきむしって悶えたくなる、かなり恥ずかしい切なさです。
そして笑える。どうしょうもなく笑えて泣けるのです。

ああ、他人に制作物を見せるって、
さらに批評されるって(もしくは無視されるって)本当に身悶えしてしまう。
自分に才能があるんだかないんだか、
ちょっとした誰かの一言、ちょっとした誰かの作品、
ちょっとした自分の手応え、ちょっとした寝不足で、
激しく浮いたり沈んだり、いつでも自信が乱高下。
わかる…わかるわ、焔くん…(涙)。

原作漫画10巻の、
焔が全身全霊をこめて作った課題のアニメーションを
他の学生の前で上映…したのに全く受けなかった場面なんて、
涙なくして読めません。

そんな癖のある原作をドラマにしようってんだから凄いなと。
驚いたわけです。

ドラマで主人公・焔に扮するのは、柳楽優弥。
あの『誰も知らない』の彼が、なぜか暑苦しい焔くんをやると
……意外と合う。
トンコさんも意外と…あの下手な関西弁が合っている…のかもしれない。
現在まだ第二話までですが、今のところかなりいい感じに面白いです。
監督は『勇者ヨシヒコ』をやっていた福田雄一。
ヨシヒコ好きは見ておいて損はないかと思われます。ムロツヨシ出てるし。

ということで、まだまだこれからの『アオイホノオ』。
毎週金曜を楽しみに見ていきたいと思います。はい。

| コミック | 00:07 | comments(0) | - | pookmark |
Sunny 5 /松本大洋
評価:
松本 大洋
小学館
¥ 977
(2014-05-30)

 text by uematsu

松本大洋の『Sunny』の第5集が出た。
画の巧さになんだかゾッとしながら読んだ『かないくん』よりも、断然こっちのほうが面白い。なにしろ、ここに登場する施設の子どもたちのイキイキとした表情と言葉が見事に絡み合って、松本大洋にしか描けない確かな世界が構築されているのだから。
谷川俊太郎と松本大洋が一緒に絵本を作ったと聞いて、僕は「それじゃあ、谷川俊太郎が得することばかりだろう」と思ったのだが、それはやっぱり谷川俊太郎は絵を必要としない文章を書く人だから。絵の入らない文章に、松本大洋がいくら懇親の絵を描いても最終的には文章に絡め取られてしまう気がするから。
この第5集に6つの話が掲載されているが、とても生真面目な男の子、静が車を運転して家出をしようとする話が好きだ。
結局、うまく車を運転できずに、家では失敗するのだけれど、その夜、施設の先生が、静が持っていた家での計画書を読んでいる場面がある。
作文用紙に縦書きで、几帳面に書かれた文字。

午前三時半、園の車で出発。
午前四時、駅にとう着。
始発電車にのる。
準急にのりかえる、午前五時四十分。

と、木訥と続く計画書が心に染みる。
この場面を見ていて、松本大洋と谷川俊太郎がつくった「なかいくん」にないものが、
ここには詰まっているなあと思うのだった。
それはきっと、松本大洋という人の切羽詰まった哀しみのようなもの。
手練れの老人が書いた『絵本の文章』にはない、
緊張感が読むものの胸に迫るからだと思う。
| コミック | 00:21 | comments(0) | - | pookmark |
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